菩薩行の実践
ご法事のお供えは、花・菓子・果物などを用意しますが、古来より供養された品は仏さまからのお下がりとして頂戴し、参列者で食し分かち合うという考え方があります。
この分かち合う範囲を「参列者だけ」から「どこかの必要な方」まで広げることで地域の課題解決に貢献することができ、更にあなた自身の仏道修行の実践になるとしたらいかがでしょうか?
ここでは、検校庵が行っている「法事を通して誰もが菩薩行の実践を行える取り組み」についてご紹介させて頂きます。
ソナエルprojectとは
「ほとけさま」へ供えるソナエル行為を通して施主は徳を身に具えるソナエル。
お供えされた供物が循環していくことで社会は安心を備えるソナエル。
曹洞宗ではこの取り組みを「ソナエル project」と名付け、慈悲の循環を広げる活動を実践して参ります。
えこう米
回向(えこう)とは、善行の功徳を世界中にめぐらし向けることです。
つまり、お供え物を参列者以外にも分かち合うことは、法事の功徳を回向することでもあり、これが菩薩行の実践へと繋がります。
この度、茅野市宮川の入倉米穀さまに活動の主旨を説明した処、協力を快諾して下さいました。
法事の日時をお伝えすれば検校庵や自宅まで「えこう米(仏さまへお供えするお米)」を配送無料でお届け頂けます。
供養されたお米はお寺が社会福祉協議会へ届けます。
そこから市内の各子ども食堂や生活困窮世帯などお施主様の希望される支援先へと配られ、支援を求める人々の為に利用されるという流れです。
もちろん、従来通りの方法でお供物を準備し分け合って食していただいて結構です。
あくまでも、選択肢のひとつとしてこのような活動を始めたことをお知らせさせて頂きます。
ご希望される方は、法事申し込みの際に「えこう米」を希望する旨をお伝えください。共に支え合う世界はお釈迦さまの願いです。
各自治体にある社会福祉協議会など、皆さんが住む地域の課題解決に取り組む団体にお供物を寄付するボランティア活動です。
しかしながら、このお下がりを分かち合う行為こそが菩薩行の実践(回向)という功徳を積むための行為と成り得るのです。
この活動を通して、多くの檀信徒さまが回向の持つ本質を理解して頂くことを願います。
今後は、ひとり親家庭への支援、防災のための備蓄、お寺を会場としたフードドライブ(お寺が食料寄付受付所窓口となる)の実施など、多くの地域課題に対しても取り組んでまいります。
令和5年7月1日