追善供養御詠歌(妙鐘)
追善供養御詠歌(妙鐘)
うちならす鐘のひびきはそのままに
三世の仏のみ声なるらん
梵鐘が鳴り響き、遠ざかり、小さくなりゆく鐘の音、その余韻は過去現在未来の仏さまの声となって私たちの心に染渡ります。
ご自宅の仏壇にある鐘も、亡き人を想い打ち鳴らすとき、その響きは亡き人のお声として私たちに話しかけてくれているように聴こえて参ります。
鐘の響きは世の無常を表す
仏教では鐘の響きは世の無常を表しているとされます。
此の世界に姿形そのままで留まり続けていくことが出来るものなんて何もない、これが無常であると説かれております。
それに対して有常、つまり変わらないものは何だろうと考えたことはございますか?
私たちの身体も日々変化を繰り返し、いつかはこの命をお返しする時が参ります。
いま、ここに生きている自分の命はどこから来たのだろう、どのような想いでご先祖さまは命を繋いで下さったのだろうかと思いを廻らせることが仏教の考え方です。
仏壇のお参り作法
仏壇があるお宅では、毎朝お参りをされていることと思います。
曹洞宗では鳴らす回数を決めてはおりませんが、皆さまは普段どのようにお参りされておりますか?
もしよろしければ、次のようにお参りしてみては如何でしょうか。
@お参りをする最初に、まずは鐘を優しく2回鳴らして仏さまにお声掛け(コンコンとノックするように)
A鐘の余韻を聞きながら、静かに線香に火を灯す
B線香を香炉に立てたのち、線香の煙が揺らぎ始めてから掌を合わせる
C仏さまにお参りしている自分の姿と心を十分にお供えしたのち、優しく1回終わりの鐘を鳴らす
たとえ忙しい朝であったとしても、「チン、チン、チーン」と畳み掛けるような鳴らし方は好ましくありません。
鐘の音を聞いて仏さまが振り向くわけですから、慌ててはならないのです。
それでは、仏さまがあなたと向き合う前に、あなたのお参りは終わってしまうかもしれないですよね。
もちろん、仏壇を綺麗にすることも忘れずに。