これからの検校庵

ご挨拶の中にもありましたが、検校庵では副住職夫婦を迎えられました。

 

古来より、尼寺では乳飲み子の女の子をお寺で育てながら、尼僧として育てあげ尼僧を絶やさぬように続いてまいりました。それが今迄の「おけんぎょうさま」です。

 

ところが、現住職が30代半ばを過ぎたころには、日本の法律により「独身の養親は特別養子縁組ができない」と変わっていたそうです。
役所に何度も相談し、尼寺の歴史と仕組みを説明しても「法律は変えられないので難しい」との回答が返ってくるばかり。

 

つまり、尼寺としての存続危機が起った訳です。(偽装結婚なんて出来ないですものね…)

 

以来、長い年月に亘って後継者をどうするのか悩みながらも各方面へ弟子を求め、尼僧専門の修行道場へ足を運んだそうです。
ところが、住職自身より年が上であったりお寺の跡取りとして出家された方であったりとなかなか思うような出会いが無いまま時が過ぎて参りました。

 

途方に暮れたある時、庵主さんの幼馴染である友人の娘に「お寺の奥さんになってほしい」とお願いをすると、「なってもいいよ」と返事をくれたそうで、乳飲み子の頃からおけんぎょうさまへ出入りしていたその子が、検校庵の法灯ともしびを伝えることを決意して以降、お見合いの相手を探すようになり数年後...今の副住職と結婚が決まったそうです。

 

 

ご詠歌の先生でもある恵道庵主さんは、20年以上に渡りご詠歌を通した布教活動に日々忙しく取り組んでおられます。
副住職さんとの出会いのきっかけもまたご詠歌であったそうです。

 

庵主さんは「いつもバタバタしている私ですが、若夫婦と3人で新しい検校庵の歴史を切り開き、尼寺に続く慈悲のともしびを絶やさぬよう日々精進して参ります」とお話し下さいました。

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